ミストシャワー






4月。しかも後半。


「はぁ〜あ〜。」

そうタメ息をついたのは黒いフレアスカートにカッターシャツを着た女性。

といってもまだ中3の少女なのだが。

「まっずいことしちゃったなぁ〜。・・・・・・ふぅ。」

ここで悩んでいる少女、は普通の中学生だった。

ただ少しパソコンに詳しくて。

ただ女子部員の2人しかいないパソコン部に転部しただけで。

ただ趣味が普通の女の子とは違うところがあるだけだったのに。



事の起こりは3日前。

その日は塾が終わって、のんびりテレビを見ていた時間だった。

気持ちよくくつろいでいたの後ろから声がかかった。



ちゃん、」

「何?」

「明後日、桜観にいこうか!」



そして沈黙。

その前の木曜日にも同じことを話していたが、親の都合で結局いけなくなったことがある。

それから約一週間・・・もう桜も散っている頃の話だ。



「行きたいけどさぁ、もう散ってると思うんだけど。」

「大丈夫、大丈夫?今日ちゃんと咲いてるの見たから♪3日くらい大丈夫だってvv」

「ふ〜ん。じゃあ友達呼んじゃうよ?」

「分かった分かった!」



と、こんな感じで。

まるで親と子のテンションが逆だ。

そんなことはさておき、それから本題に入ろう。



2日前。


その日、はパソコン部の活動を終え、駅に向かうところだった。

もともと部員の7割は3年生で、しかも女子は2人。

さらにもう一人の女子部員はサボりぎみだった。

そうなると必然的に、男子部員と仲が良くなるわけで。帰りも当然一緒だった。

その日一緒に歩いていたのは、木曜日に部活動のあるパソコン部の猪八戒と。

陸上部の沙悟浄と孫悟空だった。



「なぁなぁ!!公園の方通ろうぜ!」


そう、最近たちの帰り道には、綺麗な緑地と称する広場ができていた。

もちろんそこに行くことは初めてではなかったが、たちは普通の歩道よりも、

緑地の方が気に入っていたらしい。

悟空は緑地の中央にあるミストシャワーの方へ駆け寄ってはしゃぐ。

悟浄も一緒になって遊んでいる。

そこでは昨日の母との出来事に気づいて八戒に声を掛けた。



「あのさ、明後日花見行かない?」

「ああ、この前は計画したのに駄目になっちゃいましたもんね。」

「そそっ!

明後日なら親も車出せるって言ってたし、行かない?」

「そうですね、僕は行きたいです。行きましょうかvv」

「やたっvじゃあ明後日の2時にここで待ち合わせようか?」

「ええ、分かりました。」

「あとは悟浄と悟空か・・・。」



そしては2人に向けて女性としては少し低い声で話しかける。



「ねぇ悟空、悟浄、明後日花見行かない?」



1番に振り返ったのは悟空だった。


「花見?行きてぇ!!

屋台とかあるんだろ?」

「さすがに屋台はもう無いとは思いますが・・・(からの誘いですしねv)」

「じゃあオレいいや。

家でのんびりしてる〜。」


そういうとは少しおとなしくなって。




「そっか・・・。

悟浄は?

花見行きたい?」


「花見ィ?

どっちでもいいぜ〜。八戒に任せる。」

「じゃあ悟浄は来ないでくださいvv」

「・・・・わーったよ。行ってこいよ、2人とも。」




そして今に至る。

次の日に誘った女子は全員都合が悪くなり、結局八戒と2人きりになってしまった。

親も2人しかいないということで、花見はあきらめたようだった。

それでもは八戒に連絡をしていなかったので。

わざわざ待ち合わせ場所まで出向いたということだった。

しかも時間を・・・・・1時間も間違えて。



「あ〜、何で間違えちゃったのかな・・・。

手ぶらだし何もできないし〜。」


独り言ほど悲しい行為は無いような顔でミストシャワーの方に顔を向ける。




「!!」



そのミストシャワーがあるはずの場所にあったのは、深緑色の目をした青年だった。


「あははっ、びっくりさせちゃいましたね。」

「なんだ、八戒だったの―。」

「―僕じゃ・・」



八戒は何かを言いかけて。

そして


「僕じゃ嫌でしたか?」

「いえいえ!めっそうもない!!

八戒が、良かったんだよvv」

「んふっ、やっぱりそうでしたかvv」(キャラ違



その発言にが驚いているうちに―ちゅっvv




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