暴露大会
「「遅い」」
ついさっきまでずっと戦っていて時間を忘れていた、悟空、八戒の3人は。
すでにお昼時になっているのにもかかわらず他のメンバーを気にもしなかった。
そのせいで三蔵と悟浄は一体どれくらい待たされたのだろうか。
「あ・・・ごめんなさい」
『自分の所為だ』という罪悪感からは一人だけ謝る。
だが両隣では悟空と八戒が笑いをこらえていた。
「え? どうしたの?」
「見てみろよ、あの2人っ
あははは・・・あはははッ!!」
「こんな情景、滅多に見ることできませんからねェ」
悟空に言われて見た情景というのは、
三蔵と悟浄が2人でテーブルに座っている光景だった。
だが何かがおかしい。
そう、2人のテーブルには灰皿が無いのだった。
それにテーブルの上には料理も一切無かった。
「ってことは・・・」
そうだ。
きっと昼食も食べないで、煙草も吸わずに我慢していたんだろう。
はそんな光景を頭に思い浮かべて爆笑してしまった。
「あははっ、」
「もぉ〜、まで笑うなよな」
「・・・・・・チッ。
おい八戒、猿。
をこっちに連れてこい」
(げっ!?)
「やーだよッ! 自分で呼べばいいじゃん!」
そんなノリで八戒も文句を並べると、三蔵は珍しく席を立った。
そして静かにの名前を呼ぶ。
呼ばれた方は呼ばれた方で、実際の三蔵の端整な顔立ちに呆気に取られて緊張した。
「」
「な、なんでしょう!?」
「遅い」
「ごめんなさいっ!」
「・・・・・・・・・ふん」
(あれ・・・?)
三蔵はそう言っての頭を無造作にクシャクシャと撫でた。
いきなりの行動に一同は久しぶりに凍結した。
「以後、気をつけろ」
「・・・・・・・・・はい・・・」
きっと長い間待たせたのだから、ハリセンの一発や二発くらいは覚悟の上だったのだが。
予想に反して帰ってきたのは温かい歓迎・・・?
凍結を最初に溶かしたのは、他ならぬ悟空と悟浄だった。
「ちょーっと待て!!!」
「そうだッ! さんぞーッ!」
「何だ、やかましい」
「 『やかましい』 じゃねぇよ!
てめぇ、こっちがおとなしくしてりゃあ勝手にオレのちゃんに触れやがって!」
(ふ、ふふふ、ふれるっ!?)
「ふん、てめぇが大人しくし過ぎたんだ。
俺に文句言ってんじゃねぇよ」
「だーっ!! おれだって! せっかく自由に会話できるようになったのにさッ!」
「オメェは静かにしてろ!!」
「はぁ!? なんだよっ、このベタ惚れ河童!!」
そんな逆ハーレム状態を見て赤面すると、それをみて微笑む八戒。
そんな八戒でさえも、には温かい視線を送っていた。
「うるせぇ! てめぇら一回死んで来い!」
ガウン!! ガウン!!(この効果音に不信感
「「ギャーッ!!」」
「あははっ、皆さん落ち着いてご飯にしましょうねー」
この4人を見ていると、本当に危ないな、と。
最近はそう思うようになった。
でもこのメンバーの対応の仕方だとか、性格だとか。
そんなもので何かを見つけたとき、何だか嬉しくなった。
なんだかんだ言って結局昼食をやっとの思いで食べた三蔵一行。
もちろん悟浄と悟空の言い争いは絶えることなく続いて。
それをいつものように三蔵が止めて八戒は微笑む。
だがそんな輪廻を繰り返してしばらくすると、八戒が話し出した。
「あ、そういえばから話聞いてませんでしたよね? 三蔵」
「ああ」
「じゃあ、今日は僕達の部屋で暴露大会でもしましょうか」
妙に 『暴露大会』 のあたりを強調されたような気がした。
「えっ!? が暴露するのか!?」
「嘘ん!?」
「って言っても・・・何も暴露するようなことなんて・・・・・・・・・・・・・・・・・・あった」
『あ、そっか』 と相変わらず悠長なことを発言し、
悟浄と悟空の後押しによって暴露大会は決行されることになった。
しかも当日の夜。
in八戒のお部屋で。
そうして暴露のお時間はやってきた。
「失礼しまーす・・・・・・・・・・・・わっ!?」
パン!パン!パン!
何故かが部屋に入ったとたん何か音がした。
長い紙テープと一緒に。
「え? クラッカー?」
そういって紙テープをつかむと、最初に八戒がにっこり笑って話す。
「こんばんわ、いらっしゃい」
「こ、こんばんわ・・・」
「あ、紙テープ離してちょーだいちゃん」
紙テープを離すと、4人揃ってクラッカーの紙テープを巻き取りだした。
もちろん三蔵も道連れだった。
きっとこれはお手軽な方のクラッカーだったのだろう。
「じゃ、始めますよ。
1、始めの言葉です。 じゃあ・・・三蔵やってください」
「面倒だ」
「っていうかなに始めの会やってんだおめぇらは!?」
「失礼ですねぇ悟浄。
始めの会は当たり前なんですよ?」
「ンなワケねぇだろ!!」
「うるせぇ、黙ってろ」
「何だとこの生臭坊主!」
「あ〜っ、もうやめてよ!」
久しぶりに喧嘩の仲裁をした。
意外と効力はあったようだ。
「・・・・・・・・・チッ」
そんな舌打ちをおまけとして。
「仕切りなおし! 八戒、始めの言葉終わったら何やるの?」
「え? えーっと、暴露@です」
「・・・・・・・・・・・・・・・それって・・・・・・何?」
夜とはいえ悟空はもうすでに眠たそうにしていた。
そんな悟空に反してその他メンバーはまだまだいけそうな表情だった。
そして八戒の『暴露@』という文字に、全員が頭の上に『?』を浮かべた。
「まずは僕からに暴露ネタを提供ってことです」
「いや、普通にわかんねぇから」
ナイスタイミングで悟浄がツッコむ。
「おら猿! 起きやがれ」
「ん〜?」
「暴露大会だ」
そういった瞬間、悟空の脳内は薔薇色に変色した。
目の色を変えてテンションは最高潮になったようだ。
「マジで!? なぁ、は何教えてくれるの?!」
「え!? 八戒が暴露ネタを提供してくれるらしいから」
「そうなんです、じゃあいきますよー」
その質問から、この場の空気が少し重くなった。
鉛色のような重さより、もっと軽い言ってみればアルミ系の色で。
『僕達の旅に同行することになった経緯を教えて下さい』
その答えは、と、神のみぞ知る。
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あとがき
ギャグのような題名でごめんなさい;
友達と修学旅行の話をしていたらこの題名が浮かんだので…(何
修学旅行ネタというのもおもしろそうですね…v
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