西へ出発
ここは桃源郷
名前だけの楽園
妖怪と怨霊の暴走によってひどくなっていく治安
そんな時、三仏神は彼を斜陽殿に呼び出した
「北方天帝使、玄奘三蔵。参上致しました。」
その呼びつけられた人物。玄奘三蔵。
俗に言う最高僧なのだが・・・そんなことも言ってられない人
そしてその『彼』を呼んだ人たち(?)
「よくぞ参った 三蔵。事は一刻を争う。急いてすまんな。」
「いえ。」
無愛想な返事とともに、
三蔵は、桃源郷の状態と任務を告げられる。
「玄奘三蔵よ、そなたに命ずる。
そなたが過去を共にした悟空、悟浄、八戒。
そして龍神の神子を連れて西域、天竺国へ向かえ。」
そこには、三蔵の聞きなれない人物名があった。
「龍神の・・・神子・・ですか・・。」
もちろん、三仏神が知らないはずも無い。
「ここから少し東に向かったところにある街にいるそうだ。
迎えに行け。」
「御意・・・!」
そして無事に他のメンツをそろえていざ出発!・・・だが。
『龍神の神子』という名前に、三蔵は聞き覚えが無いという。
だが八戒には心当たりがあるらしい。
「確かにその方は、東に向かったところにある街にいるでしょう。
けれど会うことはできても、旅に同行させるのは難しいでしょうね。」
それでは三蔵も困る。
これは任務なのだから。三仏神から下った任務。
「仕方ねぇだろ。どうしても連れて行かなきゃなんねぇんだ。
力ずくでも旅に連れて行く。」
「ですけどねぇ・・・彼女、封印されているんですよ。かれこれ100年。」
「「「はぁ!?!?」」」
更に三蔵の端整な顔が少し歪む。
他の二人も驚いたままだ。
「ならばその封印とやらを解除するまでだ。行くぞ、八戒。」
「そうですか。じゃあ行きましょう。」
「キュ〜♪」
そういうと白竜がいきなりやる気を出したような声を出した。
久しぶりの旅だから。
皆、そう思っていた。
「さて!といっても東に村なんていくつあるんでしょうねぇ。」
八戒は途方にくれたようだった。
八戒によると龍神の神子を知らない三蔵は、僧であり、寺院が女人禁制であったためであると言う。
だが龍神の神子は仏教の中でも龍神と意思の疎通が可能な尊い人物だと。
ひそかに美人だという噂もあるとか。
そしてこの『美人』と言う単語に反応する輩がいた。
「え〜、じゃあ美人なレディを『龍神の神子ちゃん』って呼ぶんじゃねぇだろうな?八戒。」
「当たり前じゃないですか、悟浄、人間なんですから。」
「っていうかさぁ、悟浄って『美人』ってトコに反応したんだろ〜?
もうちょっと考えろよな〜100年も生きてるんんだろ?もう100歳過ぎてるに決まってンじゃん!!」
一同凍結。
まさか悟空がこんな発言をするとはみんな思っていなかっただろう。
そして少しの沈黙の後、三蔵が八戒に問う。
「おい、そいつの年はいくつだ。」
「・・・・・・・・・19だそうです。」
「「は!?」」
「悟空、あなたも500年封印されていましたけど、まだ18でしょう?
それと同じことですよ。彼女は19のままだと聞いています。」
「そうだったのか・・・うん、分かった!!」
ともあれ、とにかくその神子を迎えに行くことになっている三蔵一行。
「で?その東の街ってのはどこだ?」
「ええ、大丈夫だと思いますよ。人に聞けばわかるでしょう。
みなさん早く乗ってくださいね〜vv」
「「「ぅおおおおお?!」」」
するとジープが全速力で進んだ。
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あとがき
やっぱり予想通りで神子様の出番が…
すみません。ちゃんと、もっと絡みを取り入れたいと思います。
しっかし三蔵一行の会話は書くのが難しいですね…!
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